2014年第2回作品展のごあいさつ
2014/05/11 会員専用, 新着情報 by takeshita
2014年第2回作品展のごあいさつ
美術造形教室アトリエみらいの木の作品展は今年で2回目を迎えます。
絵や工作などいろいろな課題を設定し、各自がそれぞれの工夫をしてもらえるように
こちらも試行錯誤の連続です。
最近では、皆さんからのメッセージやパワーもとてもプラスなものに感じられるようになってきました。
絵についてのお話をするときも、少し芸術的でむずかしい話をするときもありますが、
結構皆さんは的確に芸術のよい部分をつかみとってくれるような反応が返ってきて、
びっくりする時があります。
作品展に出展する絵はどれがいい? と問いかけると、みなさんなりの絵の考え方があり、
そういうことを声に出してお話できるようになったこともひとつの成長ではないか、
と思っています。
小さな芸術家たちの声を感じとっていただければ幸いです。
2014年2月25日 美術造形教室 アトリエみらいの木 竹下 理恵
●ねんど工作「キャンドルスタンド」
2週連続でクリスマスのためのキャンドルスタンドを制作しました。
1回目は粘土で成型です。このときにあるポイントに注意してつくってもらいました。
そのポイントは「まわりの空間(空気)がおもしろいと思えるようなものを作る。」
立体作品ではそのものがおもしろい、ということも大事なのですが、そのものがどれだけ周りの空間に影響を与えてるかということを考えてつくることがより重要です。
20世紀の彫刻家でヘンリー・ムーアやバーバラ・ヘップワースという人は「虚空間」というアイデアを新しい彫刻をつくる動機にしました。
ジュニアの皆さんにどうやったらそれを説明できるのか、最初とまどいましたが、「まわりの空気がよりおもしろくなるようなもの」と説明したら、結構みなさんなりにその言葉を受け止めて、このチャレンジングな課題をうまく表現してくれたように思います。
2回目は自由に絵の具で着色し、ラメ入りのニスを塗ってしあげました。
クリスマスのテーブルによくにあうキャンドルスタンドが完成したのではないでしょうか。
●見て描くクレヨン画「ダーツ盤のある静物画」
卓上に並べられた静物を見てクレヨン画で絵を描いていきました。
ダーツ盤を中心にシクラメンの花や壺、キャンドルスタンド、くだもの、リス(のおきもの)などいろんなものがあります。
分量的にはかなり多いものを見て描いてもらうのですが、はみ出してもよいから全部画面の中にいれてもらいました。
そうすることによって静物画がすこしだけ風景的な見え方にかわります。
幼稚園のひとはものごとの前後関係を描くことはまだできないのですが、位置はどんなふうに移動してもよいから、できるだけ全部描いてください、という風に説明しました。
逆に高学年の人はものの前後関係をよく見て、陰などにも注意をはらって描いてもらいました。
またクレヨンで色を塗るときにできるだけ力をいれて、手が少ししんどいな、とおもうくらいに頑張ってもらいました。
実際私も同じ課題を皆さんと同じクレヨンでえがいてみましたが、大人がやっても割と体力も集中力も必要な課題ですが、クレヨンの独特な世界にもひきこまれていきます。
皆さんをみていると、何も言わずにかなりよく見て一所懸命に描いてくれたと思います。
そして絵もなかなか力作ぞろいでした。
●空想画「もし空を飛べたら」
マルク・シャガール(1887-1985)の「街の上で(1914-1918)」という絵をみんなに見てもらいました。
これは彼が28歳のときに彼女のべラに出会って結婚してとてもうれしかったことを、天にも昇る気持ちとして街の上を飛んでいる絵で表現したものです。
そしてみんなも楽しい気持ちを思い出しながら、お友達や兄弟で空を飛んでいるということを空想して絵を描いてもらいました。
飛び方はできるだけ実際にはないもの、羽が生えている、ほうきにまたがっている、龍にのっている、絨毯にのっている…などいろいろアイデアを出してもらいました。
町の描き方も真上から見た感じとか、遠くが小さく見える感じなどいろいろと工夫してもらいました。